SPRING GX

このたび、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業に大越慎一教授(事業統括)が提案した「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成」プロジェクト(以下SPRING GXと呼称します)が採択され、開始する運びとなりました。全学の博士課程学生(4年制博士課程学生を含む)を対象にプロジェクト生600名を募集します。

プロジェクト概要

説明動画「プロジェクトの趣旨と内容」

(1) 博士課程学生支援プロジェクトの目的及び内容

東京大学のすべてのアセットを投入し、グリーントランスフォーメーション(GX)()実現に向けて活躍する人材をあらゆる分野に規模感(博士課程全体で600名程度)をもって輩出する。深い専門性と高い研究力を持つ学生が好奇心をもって自由に挑戦的・創発的研究をする環境の中で、学生自身がGXが社会の将来ビジョンの全体像そのものであることを理解し、自らの研究が社会課題に関連することに対する“気づき”の場の提供、及び社会において専門的能力を十分に発揮するためのトランスファラブルスキルの養成を行う。そのために、3つの基幹プログラムと高度スキル養成プログラムを開発し、学生支援環境を高いポータビリティを担保して整備する。学生選抜は、自らの研究をGXに位置づける意思、専門性、博士研究の創発性もしくはその可能性の観点から統括が運営委員会の補佐のもとで行う。選抜には、国立研究所や民間企業等の有識者も招き、透明性を確保する。

(2) キャリア開発・育成コンテンツ

基幹プログラムと高度スキル養成プログラムを提供する。前者は、GXに関する俯瞰講義、分野を超えた学生達同士の交流を通じて自らの研究とGXの関係を見出していくグリーン未来交流会、そして様々な分野の最先端研究とGXの関わりを気づかせるGXインスパイア講義の3つのプログラムからなる。これら基幹プログラムを通じて、個々の学生がGXの種を自らの意識に埋め込む。高度スキル養成プログラムは、海外派遣・産学連携・トランスファラブルスキル習得支援よりなる。東京大学国際卓越大学院事業で実績を積み重ねてきた分野横断プログラムの教育コンテンツをさらに発展させ、600人の参加学生に対して、個々の専門性・事情に合わせた多様なプログラムを提供し、将来社会において、GX人材として専門的な能力をいかなる分野においても存分に発揮しうる能力を身につけさせる。並行して博士課程学生が自由に挑戦的・融合的な創発研究を行うための環境整備を行う。

(3) 事業統括

事業統括 大越慎一

事業統括は基礎科学(化学)分野において世界的に顕著な業績を挙げてきた。その知見をベースに、エネルギー問題やIoT社会に資する材料として、ありふれた元素からなる長期蓄熱セラミックス(λ-Ti3O5)や高性能フェライト磁石(ε-Fe2O3)などを発見し、英BBC、仏AFP通信、英Economistに報道されているのに加え、ε-Fe2O3は英国立ロンドン科学博物館(Science Museum London)にも特別展示されている。また、産業界からも注目を集めており、既に一部は実用化している。21世紀COE、東大GCOE、リーディング大学院を経て、現在、東大グローバルサイエンス国際卓越大学院コース(GSGC)の統括を務めており、高い評価を受けている。組織横断的な取組みとして、東京大学初となる博士後期課程ダブル・ディグリー(東大Double Degree)を提唱し、プログラムの実施を実現した。現在、フランスCNRS国際共同研究所ディレクターとして大型共同研究プロジェクトを率いるとともに、海外大学との共同研究は13カ国にわたり共著論文は100編を超えている。
事業統括の資質能力に関する詳細

(4) 申請資格

本プロジェクトに申請をすることのできる大学院学生は、博士後期課程1年、博士後期課程2年、博士後期課程3年、4年制博士課程博士1年、4年制博士課程博士2年、4年制博士課程博士3年、4年制博士課程博士4年に在籍している者、または2021年10月に博士課程に入学・進学する者で、かつ、次の要件を全て満たす者とする。

  • 本プロジェクトの趣旨、履修要件等のルールを十分に理解し、本プロジェクトに関わる活動等に協力する者
  • 日本学術振興会(JSPS)特別研究員に応募し、採択された場合にも本プロジェクトに引き続き在籍することを確約する者
  • 海外派遣プログラム、産学連携インターンシップ、トランスファラブルスキル獲得支援プログラムに積極的に参加する意思のある者

ただし、2021年10月1日時点で以下のいずれかに該当する学生は申請することができない。

  • 標準修業年限を超えて在籍している学生、休学中の学生
  • 国費外国人留学生、外国政府派遣留学生、日本学術振興会(JSPS)特別研究員(DC)、文部科学省科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業採用学生、文部科学省卓越大学院プログラム(WISE)生
  • 博士課程教育リーディングプログラム生、国際卓越大学院教育プログラム(WINGS)生
  • その他の東京大学および国立研究開発法人の事業により月額16万円を超える経済的支援を受けている学生
  • 所属する企業等から、生活費相当額として十分な水準(240万円/年以上)で、給与・役員報酬等の安定的な収入を得ていると認められる学生

(注)東京大学の他の事業との二重の受給はできない。(ただし、TAは除く。)

(5) 募集人員

合計600名

(6) 応募手続き等

応募期間 10月5日(火)15:00まで (2021年秋入学博士1年生 10月2日(土)~10月12日(火)15:00)

募集ベージはこちら(UTokyoアカウントでログインしてください。)

※2022年4月に博士課程に入学あるいは進学する者は、次回の2022年4月生としての募集となります。

(7) 経済的支援

研究奨励費として月額18万円を支給する。また、研究費として1年あたり一律34万円を支援する。さらに、事業統括配分経費を利用し、海外渡航旅費等に関して審査を経て支給する。

※グリーントランスフォーメーション(GX)とは、狭義には、温室効果ガスの発生による気候変動を抑制し経済成長につなげるような産業構造や社会経済の変革を表す場合が多いですが、本プロジェクトではGXをより広く捉え、人類の共有財産である地球環境をよりよく管理し、将来世代に引き継いでいくための社会の変革と定義します。したがって、対象とする学問分野は人類の営みと関係する分野、すなわち全分野であるため、理工系のみならず人文・社会系も重要な分野となります。人文・社会分野のプロフェッショナル人材と科学技術分野のプロフェッショナル人材との連携は、GXを成功させるための要であると考えています。
次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)は、政府が2021年9月から開始する、博士後期課程学生を6000人支援するという施策です。以下に、SPRING事業をご理解いただくためのJSTの公募要領の抜粋(一部改変)を示します。
博士後期課程学生は、我が国の科学技術・イノベーションの将来を担う存在であるが、近年、「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」「博士課程修了後の就職が心配である」等の理由により、修士課程から博士後期課程への進学者数及び進学率がいずれも減少傾向にあるなど、危機的な状況が指摘されている。すなわち、①我が国の科学技術・イノベーションの将来を担う優秀な志ある博士後期課程学生への経済的支援を強化し、②博士人材が幅広く活躍するための多様なキャリアパスの整備を進めることに、一刻の猶予もなくなりつつある。本事業は、博士後期課程学生の育成に関する確固たる独自の構想と、既存の枠組みを越えた優秀な博士後期課程学生の選抜、並びに当該博士後期課程学生が主体的に自らの研究を行い得る研究環境及び多様なキャリアパスの形成に向けた支援の提供を、それぞれ確実に実施し得る知見と能力を有する事業統括(事業統括は1大学につき1名)を厳正な審査の上で選定するものである。なお、これらの取組を円滑に実施するため、事業統括は、自身の業務遂行を支える運営チームを運用する。また、本事業全体の有効性についても客観的な把握を行い、十分な成果が挙げられるよう、不断の見直しを行う。

事業統括の考える若手研究者としての博士課程学生の育成像

本プロジェクト 「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成」(SPRING GX) における若手研究者としての博士課程学生の育成像を以下に示す。

  1. 好奇心を忘れず、常に挑戦的に研究を進める研究者
  2. グリーントランスフォーメーション(GX)が人類社会の営みそのものであることに鑑み、専門以外の多様な分野を知り、高度で幅広い教養を身に付けた人材
  3. そのうえで、様々な分野の研究者と創発的研究が積極的に行えるGX人材

東京大学の理念・方針との一貫性、特徴・独自性、戦略性

地球規模の課題を解決するためには、全分野にわたる多種多様な問題と対峙し、それを解決しなければならない!

東京大学の理念・方針である、(i)人類の共有財産としての地球システムの管理、 (ii)カーボンニュートラルの実現への貢献、 (iii)デジタルトランスフォーメーションの推進、 (iv)ダイバーシティー研究、と合致している。特徴・独自性としては、グリーントランスフォーメーションを「社会の変革」と位置付けている点であり、対象とする学問分野は、人類の営みと関係する分野、すなわち全分野にわたる。また、戦略としては、規模感を持ったプロジェクトとして推進し、人材を社会のあらゆる分野に輩出する。

(人文・社会系に関して) 人文・社会系の学生の参画は必須です。

事業統括の大学院教育改革の推進ビジョン

挑戦的・融合的な研究環境の整備

GX基幹プログラム

WINGS高度スキル養成プログラム

運営チーム体制

メンバーリストはこちら

博士課程学生の選抜体制、選抜方法

応募書類(日 or 英)

  1. GXの中での自らの研究の位置づけと提案
  2. 研究活動の状況
  3. 成績表(今回、成績表は不要となりました。)
  4. 指導教員の許可
  5. どのWINGSに連携したいか

グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成

問い合わせ先

gxoffice.adm [at] gs.mail.u-tokyo.ac.jp